子どもに読ませたい英語絵本

文・高橋美由紀 (愛知教育大学名誉教授)


 この絵本は、カラフルで賑やかなイラストに溢れ、子どもたちの「学校ってどんなところ?」という好奇心に寄り添うように構成されています。「Cherry Tree School」における学校生活のさまざまな場面――「In the classroom」「Playtime」「Lunchtime」「School show」「Science day」――などに登場する、ライオン、カバ、ペンギン、コアラ、アナグマ、シマウマといった個性豊かなキャラクターが、ページいっぱいにカラフルで賑やかに描かれています。

 低学年の児童が対象なら、例えば最初の「Time for school」で、保護者が「Can you spot a star shape on the playground?(遊び場に星の形を見つけられる?)」「What’s the time?(今何時かな?)」などと問いかけ、それに児童が応えるといった形で、親子で絵本の世界を探索できます。ページ下の「Can you find each of these things?」コーナーには、slide(すべり台)、piano(ピアノ)、stop sign(標識)、school bell(ベル)、bus stop(バス停)などの語彙がイラストとともに紹介され、その定着を視覚的にサポートします。また、巻末のシールを貼る活動を通じて、「どこに貼る?」→「なぜそこに?」といった対話を自然に引き出すことができ、説明力や空間認識力の育成を図れます。

 高学年が対象なら、「読む」「話す」「考える」体験を通じて、語彙力・観察力・思考力を育む活動がおすすめです。また数字や時間に関する問い、例えば"We've all written a number. Which one is the highest?"などと、算数との連携も可能で、教科内容と言語習得を同時に進めるCLIL(Content and Language Integrated Learning)教材にもなります。「Science day」や「School show」などの場面からは、理科的思考や感情表現、協力行動の大切さについて、関連する言語とともに学ぶことができます。さらに、この絵本に描かれている世界と日本の学校生活を比較し、異文化理解や「おもてなし」の価値について話し合えば、ICC(Intercultural Communicative Competence)=文化的気づきを促すこともできるでしょう。

 絵本の世界から広がる学びは、単なる読書を超えて、生きた言葉と世界への好奇心をかきたて、多文化理解のきっかけづくりになります。

Lots of Things to Spot at School の書影

Lots of Things to Spot at School Paperback
– June 1, 2014
by Katie Daynes (Author) Sigrid Martinez (Illustrator)
Usborne Publishing
('Reproduced from Lots of Things to Spot at School by permission of Usborne Publishing, 83-85 Saffron Hill, London EC1N 8RT, UK. www.usborne.com. Copyright © 2014 Usborne Publishing Limited.')

ECCジュニアHarmony [英語教育]子どもに読ませたい英語絵本

Pickup Posts

ECCジュニア 公式サイト ECC外語学院 公式サイト ECC法人向けサービス 公式サイト