
日本英語検定協会に聞く
◆小学校での教科化、入試優遇制度…
最近、SNSなどで、お子様が「〇級を受けました」という文字をよく見かけるようになった。
2024年度、小学生の受験者は、37万5991人に達したという。10年前に比べてみても、約1.5倍に増加。そして、チャレンジする級の中心は4級以上。4級で約1.6倍に、3級で約1.9倍、準2級は約2倍とのこと。
この背景にあるのは、2020年からの小学校での外国語の教科化。
さらに中学受験者の増加や、高校受験・大学受験での英検取得「入試優遇制度」によるものなど、複数の要因が考えられる。ちなみに文部科学省は、中学生の場合、中学卒業時に3級以上に達する生徒を60%以上にするという目標を掲げており、高校生の場合でも、高校卒業時に準2級以上を6割、2級を3割と設定している。
こうした国の動きをいち早く察知し、教育熱心な小学生の子どもをもつ親たちの間で、英検熱が高まってきているのかもしれない。
ではその広がりの様子や要因について見ていこう。
◆英検S-CBTで受験回数が増えた
2013年からCBT方式が導入され、2018年には4技能を1日で測定することが可能になった。従来は、一次試験合格の後の二次試験まで日にちが空いていたが、たった1日で4技能が測定できる。これもCBTを利用するメリットの一つ。
さらに、2021年度には、英検CBTと統合した英検S-CBTが、ほぼ毎週全国で実施されるようになり、一気に受験機会が増えた。試験日程や会場を受験者側が選べることで、より受験しやすい環境が作られた。
これまで年3回実施だったから、次の級にチャレンジする、あるいは再チャレンジまでの時間は、一気に短縮される。
また、どうしても受験日が合わず見送るケースもあったが、英検S-CBTを利用することで、「例えば、習い事や部活の試合などで受験日が合わなかった場合、英検S-CBTで受験される方々もいらっしゃいます。ただ、気をつけていただきたい点は、クリックなど、ある程度のパソコン操作ができることが条件になります」と日本英語検定協会。
協会はまた、英会話教室や塾などともタイアップし、「英検ESG祭り」などのイベントを開催。小5、小6が推奨になっているが、小3、小4も参加可能だ。『無料』でチャレンジでき、公式の成績表がもらえるという特典もある。初めて受験する小学生には、嬉しいイベントだ。
一方、すでに受験を始めている場合には、2023年に登場した「英検4級・5級チャレンジキャンペーン」に参加できる。これは、もしも1回目に不合格(有償受験)になった場合、次の回に無償で再受験できるというもの。今年度は、次回と次々回の2回の検定料が『無料』となっている(但し、同一準会場で同一級に限る)。

◆新しい級も登場、親子で受験する人たちも
31年ぶりに新設されたのが準2級と2級の間に位置する「英検準2級プラス」。5級から準2級までは、各級の合格に要する期間はおよそ1年間だが、準2級から2級までは約2年かかるというデータがある。そこで、間に新しい級を設けることで、スムーズに、ステップアップできることが狙いとなっている。
「今年から始まったのですが、準2級や2級とのダブル受験をされる方が多いというデータが出ています。準2級から2級の間には『高い壁』があると言われており、ここであきらめてしまう方も少なくありません。英語学習のモチベーションを下げないためにも、この準2級プラスを活用していただき、2級習得につなげてほしいです」と協会。
一方、受験者が低年齢化することで起こった現象の一つとして、「親子で受験する」ケースが増えてきているようだ。
「最近、会場で、親子で受験される姿をよく見かけるようになりました。聞くところによると、成績をお互い見せ合い、競っているとか。どちらが早く『合格』するかとか、『パパはリスニングが苦手だけど、ライティングは得意だね』とかいう具合に。これもまた、親子のいいコミュニケーションの一つになっているようです」
最後に協会から、「今のお子様方は、次世代を担う人たち。グローバルな人材が求められていますが、英語を通して、将来の夢をふくらませ、大きく羽ばたいていってほしいと願っています。みなさんぜひがんばってチャレンジしてください。
また、「私たち大人は、人生100年時代。生涯学習の一つとしてチャレンジしていただくことで、また違った景色が見えてくると思います。協会も皆さまのニーズに応え、これからもさまざまな取り組みを編み出していきたいと思います」とのメッセージももらった。
今、日本の英語教育は「聞く・話す・読む・書く」の4技能の向上が必至とされている。ECCジュニアの教室の中には、英検の準会場になっているところもある。
英検ESG祭りに参加したり英検4級・5級チャレンジキャンペーンを利用したりして、お子様だけでなく、親子でチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
英会話のレッスンを受けることは、「英検取得」にも有利だから、それを活かさない手はない。
現在、「英検」の志願者数は累計1億3716万3755人(2024年度)。海外でも受験可能で、大人の場合、仕事で活かすために受験する人が圧倒的に多いが、なかには、語学が好きな人や資格を取ることが好きな人など、『趣味』として活用される人もいる。これも、一つの方法だろう。
【文:北岡三和】
※「英検」は公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
※このほど、2026 年度第3回検定より、英検 6 級と英検 7 級を導入することを決定。
英検 6 級は小学校高学年〜中学校入門期に、英検7級は小学校中学年の英語学習に対応させる予定で、レベルや問題形式等については、改めて公表する予定。